韓国紙・中央日報は、政府の核心にいる人物の情報として、北朝鮮の朝鮮人民軍特殊部隊が最近、韓国に侵入する特殊作戦用の航空機を投入し、韓国の民間空港への攻撃、占拠を想定した訓練を実施したと報じているそうです。
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一方、韓国国防省の報道官は同日の定例記者会見で、朝鮮人民軍の特殊部隊の規模について、「20万人近くまで増えている」と述べたとのこと。
同省の国防白書は、北朝鮮の特殊部隊の規模は2006年版で12万人、08年版で18万人、10年版で20万人としていたということです。
ここ数年は20万人態勢を維持しているとみられるそう。

韓国政府は同日、青瓦台(大統領府)で金章洙(キム・ジャンス)国家安保室長や金寛鎮(グァンジン)国防相らが出席して緊急の安保政策調整会議を開催。
軍事挑発の可能性を含む北朝鮮情勢を協議したとみられるとのことです。

中央日報によると、韓国政府は北朝鮮が19日に金正恩(ジョンウン)第1書記が視察するなかで実施した夜間訓練を精密に分析したとのこと。
その結果、訓練は、約150人の特殊部隊員が浸透作戦用機とされるAN2型12機に分乗して平安北道の基地を出発し、韓国の民間空港に見立てた平壌近郊の順安空港上空からパラシュート降下し、破壊活動を展開。
その後、航空機や空港施設を占拠するとの想定で実施されたという結論に至ったということです。
同紙は、韓国軍が分析結果を受けてソウル近郊の仁川空港などで軍の警戒を強化したとも伝えているそうです。

韓国の軍事筋の間では、韓国側が衛星などの情報を基に、特殊部隊の訓練を分析、把握する能力があることを見越したうえで、北朝鮮側があえて浸透訓練を実施したとの指摘もあるそうで、韓国側に軍事挑発の可能性を誇示することを狙ったとの見方もあるようです。
北朝鮮は現在、冬季訓練期間で、朝鮮中央通信は金第1書記が323部隊の訓練も視察したと、23日に伝えたとのこと。
韓国の聯合ニュースによると323部隊も、特殊部隊の航空狙撃旅団とみられるということです。

韓国側が、北朝鮮が対南浸透訓練に用いたとみているAN2型機は、旧ソ連製の複葉プロペラ機。
旧式だそうですが、機体の形状や、超低速で飛行できる特徴により、レーダーに捉えられにくいとされるそう。
そのため、韓国では、北朝鮮の特殊部隊が韓国進攻作戦に踏み切った場合、同機が主力兵器となるとみられているということです。

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