日本軍の生物兵器研究部隊である「731部隊」が細菌戦に備え、1940年代に満州の一般人居住地域でも広範囲で細菌散布実験をしていた事実がソウル大のソ・イジョン教授(社会学)ら研究陣によって解明されたと、朝鮮日報が報じています。
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中国と一部の日本の学識者は、これまでも当時ペスト菌の感染が中国全土に広がった点を挙げ、「一般人を対象にした細菌散布実験があった」と主張してきたそうですが、証言にのみ頼った主張であり、これまで事実か否かをめぐって論争が起きていたとのこと。
ソウル大によると、今回の発表は、文献資料を根拠とし、731部隊が民間人居住地域の一般人を対象に生体実験を行った蛮行について解明した世界初の研究となるとのことです。
ソ教授らが29日発表した「日本関東軍第731部隊の生体実験対象者動員過程と生命倫理」と題する研究によると、731部隊は中国吉林省農安県の住民約2万人を対象にペストに感染したノミ1万匹をまいたそう。
その結果、3週間後に8人、100日後に607人の死者が出たとのこと。
その後、62キロメートル離れた新京(当時の満州国首都、現在の長春市)でも28人が感染し、26人が死亡。
1000日後には周辺の前郭旗、鄭家屯でもそれぞれ887人、1044人が死亡したとの分析がまとまったということです。

今回の分析は、731部隊の司令官、石井四郎の側近として知られた金子順一少佐の論文6本、731部隊の一次資料、その他資料を徹底分析した結果明らかになったとのこと。
金子少佐は731部隊内部の細菌実験作戦に対する詳細な報告書を参照し、細菌実験の効果に関する論文を作成した人物だそう。
金子少佐は生活条件ごとの感染率、ペスト菌の感染力を考慮した「到達率」を比較し、農安県の細菌散布作戦を分析し、論文に「詳細は(731部隊の)各作戦詳報を参照のこと」と明記したそうです。

ソ教授は、このような民間の村落を対象とする細菌戦予備実験で、731部隊は1940-42年に中国本土で細菌戦を実行に移せる段階にあったと説明。
学界ではこれまで金子少佐の論文に基づき、中国の浙江省、江西省などで飛行機から投下されたペスト菌爆弾によって、2万5000人もの感染者が出たと判断。
農安についても「実験」ではなく「細菌戦」と位置づけてきたとのこと。
ソ教授ら研究陣は「金子少佐の極秘文書の分析によって、731部隊が農安で一般人を対象に生体実験を行い、細菌戦を準備していた事実を新たに知ることができた。浙江省と江西省の細菌戦も大量細菌散布戦に備えた生体実験に近いと言える」と指摘したそうです。

今回の研究では、日本軍が戦争捕虜ではなく、反体制犯、生活犯などを「特殊移送」という名目で731部隊に送り、生体実験の対象としていた具体的な状況も明らかになったとのこと。
ソ教授は「国境地帯に住む中国人、韓国人にスパイ容疑を着せた上で、うち少なくとも3分の1を裁判もなしに731部隊に特殊移送し殺害した」と分析。
韓国の独立記念館のチョ・ボムレ学芸室長は「民間人を対象として化学兵器の実験をしたことは、あってはならない反倫理、反道徳的行為だ。これまで関連分野の研究が不足していたが、衝撃的な事実が確認されたことになる」と評価したということです。

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