長野県・中央アルプスで起きた韓国人登山客の遭難事故について韓国メディアが競ってこの事故を報じている中、一部新聞などから「日本側が登山を止めてくれれば」「日本側が携帯電話を用意していてくれれば」というような日本への恨み節とも取れる発言が出ていると、J-CASTニュースが報じています。
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遭難した20人は、韓国・釜山から来日した登山愛好家たちのグループだったとのこと。
一行は2013年7月29日、朝からの雨にも関わらず宝剣岳(標高2931メートル)を目指し宿泊していた山小屋を出立したものの、「風とガスと雨で5メートル先しか視界がない」「風は15メートルくらいあったんじゃないか」(テレビ局の取材に答えた日本人登山客)という悪天候に見舞われて集団は崩壊し、山小屋に避難できた、あるいは自力で下山に成功した人々は助かったものの、60~70代の男性4人が犠牲となったそう。
いずれも、風雨によって体温を奪われたことが死の引き金になったと見られるということです。

韓国では中高年を中心に「登山ブーム」が高まっており、成人の約半数が「2か月に1度は山に登っている」という調査結果もあるほどだそう。
一方で韓国国内では、最も高い山でも標高1950メートルと、登山者を満足させられるような高山が少ないため、人気を博しているのが、近場で3000メートル級の高嶺が楽しめる日本だとか。
特に景観に優れた日本アルプスは人気が高く、長野県内だけでも毎年5~600人の韓国人登山客が山小屋に宿泊しているとされるそうです。

しかし今回の登山計画は、装備は薄着にカッパを身に付けた程度など、かなりずさんなものであったことが各所から指摘されているとのこと。
10度前後だったという当日の気温、また天候の変化に耐えられるものではなく、日本で使える携帯電話も所持していなかった上に、経費削減のためガイドなどは雇っていなかったということです。
旅行会社は日本人ガイドをつけることを勧めたものの、参加者の1人が日本での登山経験があり日本語も話せることを理由に、拒絶したと報じられているそう。

 韓国メディアの多くもこうした登山者の「無謀さ」を指摘し、登山ブームの過熱に警鐘を鳴らしていますが、一方で、一部のメディアなどからは、やや責任転嫁気味の発言が聞かれるとのこと。
たとえば韓国最大の地方紙の1つ「釜山日報」は、遭難者の携帯電話が日本で使用不可能だったことに触れ、「日本政府は経済活性化のため、登山客など外国人観光客誘致に力を入れているのだから、外国人登山客安全のための対策を立てるべきだ。たとえば山岳など事故が発生しやすい旅先では、非常時用の携帯電話を登山客に貸すべきではないだろうか」と、登山客より先に日本側に再発防止策を求める社説を掲載したそうです。
また聯合ニュースは、「入山規制などがされていなかったため、大丈夫だろうと思って登山を強行した結果遭難した」と報じ、登山客と面会したイ・ヨンヨン駐新潟総領事も、「登山の入口で止められたら登らなかったんですけど、誰も止めなかったから……」と同様のニュアンスの発言をしており、日本ネットではともに「日本のせいにするのか」などと批判の声が上がったとのこと。

なお、朝鮮日報やYTNテレビによれば、29日の出発時には宿泊先の山小屋の主人が天候の悪さを指摘し、「やめたほうがいい」とかなり強く引きとめたものの、遭難者たちはこれを無視して出発したとされているとのことです。

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