尖閣諸島周辺海域に6月、3度にわたって姿を現したバハマ船籍の海洋調査船が、海上保安庁の巡視船の警告に対し「上海海洋石油局の所属」と名乗っていたことがわかったと、msn産経ニュースが報じています。
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上海海洋石油局の所属は中国の大手国有企業の傘下にある政府系機関で、新しい油田の発見などが主な業務とのこと。
バハマ船籍の海洋調査船は以前から尖閣周辺での航行が確認されているが、頻度が急に高まっており、第11管区海上保安本部では、中国が中央政府とは別の機関を使って尖閣での示威行為を本格化させた可能性もあるとみて、警戒を強めているそうです。

第11管区海上保安本部によると、バハマ船籍の海洋調査船は「DISCOVERER2」で、30日18時20分ごろ、尖閣諸島・久場島の北北西約132kmにある日本の排他的経済水域内でワイヤ8本を曳航(えいこう)しながら航行しているのが確認されたとのこと。
海上保安庁の航空機が「同意のない調査は認められない」と警告したそうです。
DISCOVERER2は6月17~18日と23日にも同様に航行し、17日には巡視船の警告に対し「上海海洋石油局の所属だ」と説明した上で「ここは中国の排他的経済水域で中国政府の許可を得ている」などと中国語で回答してきたとのこと。
排他的経済水域内で他国が海洋調査を行う場合、海域の権益を持つ国の同意が必要で、事前に通告しなければならないそうですが、この船から日本に対し事前通告はなかったそうです。

上海海洋石油局は、大手国有企業「中国石油化工集団(シノペック)」の傘下にある政府系機関で、前身は国務院地質鉱産省の上海海洋地質調査局だったそうです。
省庁再編などに伴い、1997年に国有系企業に吸収された形で中央政府から切り離され、現在の名前に変更したとのこと。
シノペックのホームページなどによれば、同局の主要業務は「東シナ海、南シナ海、黄海などの海域で新しい油田を発見し、採掘開発基地を速やかに建設すること」とされているそうです。


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そのうち、民間船が尖閣周辺で座礁なりして、中国海軍が尖閣諸島に上陸…なんてことも本当にありそうですね。

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