カフェインの毒性についてネット上でも度々話題に上がっていますが、「大量摂取で死亡するかも…」「継続的な摂取で中毒を起こす」といった認識が多く、漠然としたイメージを持っている人が多いようです。
具体的に危険なラインを知っておくことと、意外な落とし穴に気付くのも重要です。
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image by adactio

うわさレベルではわかりにくいと思ったので、体重別に危険なラインが分かる表を用意しました。
摂取量がどの程度という以前に、体の大きさが重要なポイントになるのです。
個人差がありますが、ひとつの目安としてどうぞ。

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摂取量を数字で見せられてもよく分かりませんよね。
そこで、「眠気覚まし」などコンビニで手軽に購入できるカフェイン入り飲料の一部をまとめました。

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日ごろ口にしているものが結構あるんじゃないでしょうか。
ジュースやコーヒー、お茶などは1本の容量に対してカフェイン含有量が少ないため、危険が及ぶ量を飲める気がしませんね。
しかし、栄養剤はまた話が違います。
目安は1日1本と言われますが、水を飲む感覚で何本も飲んでいる人を結構見かけます。
カフェイン入りのドリンクと栄養剤を組み合わせて飲むのも危険な気がしますね。
これが「落とし穴その1」です。

そして、意外とお世話になってしまう人も多いカフェイン入りのものがあるのです。
薄い本の入稿期限に追われる人や、レポート提出日直前の人や、納品日が近くて帰ることもままならないエンジニアさんなど、「今眠るわけに行かない状況」で、結構お世話になっているんじゃないでしょうか。
その一例がこれです。

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眠気除去薬は、高濃度のカフェインが入っていますが、量が少なく、カフェインを摂取したという自覚が少なくなりがちで、イライラしてくると、連続で飲んでしまう場合もあります。
また、頭痛を感じるとすぐに鎮痛剤や風邪薬を飲むのも危険です。
CMで、「かぜかな?と思ったら…」なんて聞きますが、とんでもありません。

カフェイン慢性中毒症状の中にも「頭痛」があり、カフェインの追加投入で悪化させる危険もあります。

ということで、カフェインの効果や中毒症状もざっと理解しておいたほうがいいと思います。
実は、鎮痛薬や風邪薬に含まれるカフェインは、鎮痛作用があるということで、カフェインを含む製品は多く存在します。

<カフェインの効果>
・鎮痛作用
・スタミナの持続力アップ
・眠気減退
・気分高揚

この辺りは、多くの人が認識できているものだと思います。
では、摂取しすぎて中毒症状が出てしまうとどうなるのでしょうか。
多くが「気持ち」など内面への作用ですが、脳や神経に影響を及ぼしているということになります。

<急性中毒>
  • 神経圧迫による視覚異常や聴覚異常
  • 死に至る可能性あり

無理をさせすぎて「壊れてしまう」ということですね。
細かな症状は次です。
(Wikipediaを参考にしていますが、だいたいこのような感じです。)

<精神症状(軽度)>
  • 落ち着きがなくなる
  • 緊張感
  • 感覚過敏
  • 多弁
  • 不安
  • 焦燥感
  • 気分高揚
  • 一時的な不眠症

<精神症状(重度)>
  • 精神錯乱
  • 妄想
  • 幻覚
  • 幻聴
  • パニック発作
  • 取り乱す
  • 衝動性
  • 精神疾患の悪化

<身体症状>
  • 胃痛
  • 胸痛
  • 吐気
  • 嘔吐
  • 心拍数の増加(時に不整脈)
  • 心筋収縮の促進
  • 血流増大
  • 動悸
  • 呼吸が速くなる
  • 頻尿
  • 一時的な筋骨格の持久力増進
  • 振戦
  • むずむず感を生じる
  • 痙攣を起こす
  • 瞳孔拡大
  • 赤面
  • 頭痛

ものすごい事になってしまいますね。
精神や心臓に病気がある人は、重症化させかねない内容です。
中毒症状も慢性化してくると症状が拡大します。

追い込み時期に「やけに焦ってしまう」「小さなことでイライラする」「テンションがおかしい」などの経験があり、カフェイン多量摂取の覚えがある人は、「あせり」だけが原因じゃなかったのかもしれませんよ。

<慢性中毒>
・焦燥感
・神経過敏
・興奮
・睡眠障害
・顔面紅潮
・悪心
・頻尿
・頻脈

ひと山越えて落ち着いた後に、こんな症状が出た人も慢性中毒の疑いがありますが、「やりきった後」「疲れ果てた後」の当たり前な反応とも言えるので、気が付かない原因にもなりそうです。

<摂取を中断した場合の離脱症状>
・頭痛
・眠気
・集中力の減退
・疲労感
・不安
・抑うつ
・運動遂行能力の低下
・発汗
・嘔気
・カフェイン摂取の渇望

どうでしょうか、カフェインの影響力の大きさが認識できたのではないでしょうか。
「眠気覚まし」や「やる気の着火剤」として効果が高いと思いますが、摂取量には得に気をつけて下さい。

参考までに、危険ラインを超えてしまう、ひとつの例を上げてみたいと思います。

<サンプルのスペック>
  • 身長155センチ
  • 体重45kg(やせている)
  • 女性
  • 薄い本の入稿日2日前
  • 1日2リットル以上飲むことが美容だと思っている

<24時間のカフェイン摂取>
  • 栄養剤3本:カフェイン150mg
  • 眠気覚ましドリンク2本:カフェイン240mg
  • 高濃度目覚ましドリンク1本:カフェイン170mg
  • 眠気覚まし錠剤3回分:カフェイン600mg
  • コーヒー3缶:300mg
  • コーラ1本:34mg
  • 紅茶2杯:60mg
  • 緑茶2本:60mg
  • 風邪薬3回:75mg
  • 鎮痛剤4回:480mg(効かないと言って多く飲む)
  • アレルギー性鼻炎薬3回:120mg

水分量的には、2.75リットルで中毒は起こさない程度で、1日あれば飲めてしまう量です。
摂取したカフェインは、2289mgにもおよび、1日のうち3時間以内に770mg(体重45キロの急性症状発症ライン)以上を摂取している可能性が十分あります。
また、口さみしいといってガムや飴を口に入れ続けるのも、カフェインを摂取している可能性があります。
大量に含まれている製品は無さそうですが、カフェインアレルギーさんに有名なこれも「落とし穴その2」です。

PCモニターの周囲を空き瓶で囲んで、イライラしながら作業に没頭する人を見かけたら、ちょっと気遣ってあげてもいいかもしれません。
(いろいろな意味で鍛えあげられた巨体の持ち主なら、比較的問題ありません。) 

海外で栄養剤の服用で死亡した例がありますが、同じ製品でも日本の薬事法によってカフェイン含有量が少なくなっています。
そのため、ドリンクでの致死量に値するカフェイン摂取は難しいと思われがちですが、錠剤や薬にも含まれているため、組み合わせての服用は意図せず危険ラインを超えてしまう原因になりかねません。

コーヒーに過度なリラックス効果を期待する人が周囲にいますが、リラックス効果は「香り」にあります。
カフェインじゃありませんのでご注意下さい。
落ち着くためだといって、作業中ずっとエスプレッソを飲み続けるのは、胃にも体にもよくありませんよ。

また、妊娠中の女性は特に気をつけて下さい。
カフェインの危険ラインは、「体重」が影響します。
それが想像妊娠でない場合は、飲み過ぎないほうが無難です。

この情報を元に危険を理解し、制御することで、うまく修羅場を乗り切るようにして欲しいと思います。
それ以前に、追い込まれる状況を作らないのが何よりなのですが…


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