神谷之康室長ひきいるATR脳情報研究所神経情報学研究室(京都府)は、夢をみている時の脳活動を記録分析し、夢に何が登場していたのか、おおむね70%以上の精度で当てられたと発表していますが、この技術はいったいどのようなものなのでしょうか。
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結論的には、起きている間に何かを見たとき、脳のどの部分がどのように反応するかを蓄積し、夢を見ている時に同じ反応が観測されれば、同じものをみたとする、データ照合がうまくいったという話です。

この実験を成功させるには、被験者の多大な協力とサンプリングが必要になり、人によって反応が違うことから、見ず知らずの人が見ている夢を、そっと覗き見してしまうといったことが出来るわけではありません。
また、映像を見ることが出来るわけでもなく、「何を認識したのか」を判断するものです。

今後、この技術がどのように発展して行くのか分かりませんが、ひとつ便利な使い道が考えられます。

Googleグラスや、アニメ「電脳コイル」のメガネなど、頭部に装着するようなモニター付き端末で、検索機能の拡張が行えるかもしれません。
たとえば、ショッピングの最中にケーキを見たとします。
その瞬間、端末が「ケーキを認識」したと反応し、「色、形、サイズ、重量、味」といった、カメラでは収集できない情報を、人間脳から取り出し記録できます。

これを後から確認できるほか、膨大なデータを使ってネット経由で精度の高い検索も行えるようになりそうです。
検索ボックスにキーボード入力するのが面倒に感じるようになってしまいそうです。 

また、この記録は「アイデアのメモ」としても活用できる気がします。
インスピレーションが重要なクリエーターさんが、出先で感じた「ヒント」を、とても具体的な情報としてストックすることも出来ます。

音声入力が必要ないコンピューター操作が可能にもなるので、言語障害者の助けにもなりそうです。

ニューロコンピュータの研究と一緒に進めてもらいたいですね。

■関連リンク
Newton (ニュートン) 2013年 05月号 [雑誌]Newton (ニュートン) 2013年 05月号 [雑誌]


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